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建設材料工学研究室  - 埼玉大学 工学部 建設工学科

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革新的材料を用いた社会基盤施設の再構築(建設技術研究開発助成)

革新的材料を用いた社会基盤施設の再構築(建設技術研究開発助成)



研究メンバー

研究代表者:睦好 宏史(埼玉大学)

共同研究者
前田 研一(首都大学東京)
下村 匠(長岡技術科学大学)
中村 一史(首都大学東京)
浅本 晋吾(埼玉大学)
西崎 到(独立行政法人 土木研究所)
小田桐 直幸((財)駐車場整備推進機構(首都高速道路(株)より出向))
吉田 一(東日本旅客鉄道株式会社)
鈴川 研二(東レ株式会社)
松井 孝洋(東レ株式会社)
栗田 守朗(清水建設株式会社)
石塚 与志雄(清水建設株式会社)
田中 博一(清水建設株式会社)
竹田 宣典(株式会社大林組)



研究計画概要

我が国の社会基盤施設は今後老朽化していき、近い将来において、維持・管理を含めた再構築が必要となる。 これらの再構築や再生に際しては、社会・経済活動を極力妨げないように短工期、低コスト(ライフサイクルコスト(LCC))と 環境負荷低減技術(LCCO2)が強く求められている。炭素、ガラス繊維から成るFRP部材は、軽量、高強度、錆びない等 の長所を有し、さらに繊維の種類を適切に組み合わせることにより、構造部材に要求される力学的性能を付与できるなどの大きなメリット がある。本研究は、炭素繊維とガラス繊維から成るハイブリッド構造材料を開発し、LCCとLCCO2をも考慮して、社会基盤施設 の再構築を目指そうとするものである。本研究は以下の4つから構成される。

1)炭素繊維とガラス繊維から成るハイブリッドFRP構造部材の開発
2)ハイブリッドFRP構造部材および接合部の安全性・使用性の評価法の開発
FRP.gif(17272 byte) 3)ハイブリッドFRP材料を用いた構造物の性能照査型設計法の開発
4)ハイブリッドFRP材料を用いた構造物のライフサイクルコストおよび環境負荷評価手法の開発

1)においては、材料の性能とコストを考慮して、炭素とガラス繊維からなるハイブリッドFRP部材を開発する(右図参照)。 2)では、構造実験および解析により、ハイブリッドFRP部材の安全性、使用性の評価法を開発する。 3)では、ハイブリッドFRP部材を構造物に適用することを目的として、限界状態に基づく性能照査型設計法を開発する。 4)では、LCCとLCCO2の評価法を開発して、従来の材料と比較して、ハイブリッドFRP部材の最適な適用方法を提案する。
以上の研究成果により、ハイブリッドFRP構造部材を用いて、制約条件の多い都市部の基盤施設の再構築に大きく貢献することが できるとともに、維持管理費の低減が可能となるため、LCCの観点からも大きなメリットがある。また、駅周辺におけるペデストリアン デッキや歩道橋などの更新あるいは新設、都市部の高架橋の桁あるいは床版の取替等についても、上部工が軽量になるため、耐震安全性 が向上するとともに、下部工の数量の削減につながる。また、CO2排出量の削減も可能となり、環境負荷低減にも結びつくと考えられる。 21世紀における我が国のさらなる社会資本整備あるいは既存社会基盤の再構築には、安全性、耐久性、LCC、環境負荷等を十分に評価した 上で適切な建設材料を開発し、使用することが必要である。
本研究により得られた成果はこれに十分応えるものである。



平成18年度研究成果

1)炭素繊維とガラス繊維から成るハイブリッドFRP構造部材の開発
炭素繊維とガラス繊維を組み合わせたハイブリッドI型構造部材の開発を行った。すなわち、力学的特性,経済性の両者を考慮して、 大きな応力が作用するフランジ部分には力学的特性に優れた炭素繊維を配し、比較的作用応力が小さいウェブ部分には経済性に 優れたガラス繊維を用いた。ハイブリッド構造部材の力学的特性を明らかにするために、フランジ部に異なる積層構成を持つ3種類 のI桁供試体を製作し、曲げおよびせん断載荷実験を行った。
曲げ載荷実験験では、最終的な破壊はいずれの供試体においても圧縮応力の作用する上フランジで発生し、破壊モードは積層構成、 フランジ幅に依存した。フランジ幅が小さい(95mm)場合、フランジ部分の炭素繊維構成比率が小さくなるにつれて破壊モードは、載荷 点付近での応力集中による圧縮破壊、炭素繊維とガラス繊維の界面剥離、中央ウェブ部分の局部座屈と変化した。フランジ幅が大き い場合(250mm)は,いずれの場合も載荷スパン内における局部座屈によって破壊が起こった。局部座屈はウェブスティフナを適切に 配置することで防止でき、局部座屈が発生しなければフランジ幅が大きい場合も95mmのフランジ幅と同様の破壊モードとなることが実 験的に確認された。終局耐力は界面剥離で破壊したケースが最も大きく、フランジ部分の炭素繊維構成比率は35%程度が最適である ことが明らかとなった。しかしながら、破壊は圧縮フランジで脆性的に発生し、引張フランジ部分では材料の持つ高い引張強度を充分 に活用できていないことが明らかになった。従って、FRPの力学的材料特性をより十分に引き出せる断面形状および構造形式を開発 することが次年度の研究課題の一つとして挙げられる。

参考文献:Hiroshi Mutsuyoshi,Thiru Aravinthan,Shingo Asamoto and Kenji Suzukawa : Development of New Hybrid Composite Girders Consisting of Carbon and Glass Fibers, COBRAE conference 2007 Benefits of composites in civil engineering, 2, March 28-30 2007, university of Stuttgart, Germany

2)ハイブリッドFRP材料を用いた構造物のライフサイクルコストおよび環境負荷評価手法の開発
①LCC評価手法および環境負荷評価手法の試行と課題の抽出
FRP歩道橋に対してLCC評価を行った結果、初期費用は十分な信頼度で算出できるが、維持管理費用の算出の精度を向上させる ことが今後の課題である。一方、環境負荷評価結果は、FRP歩道橋の方がPC歩道橋よりCO2排出量は低減され、FRP材料を用い ることで環境負荷の低減に寄与することが明らかとなった。CO2以外の指標も含めて総合的に評価することが課題である。次に、ハイ ブリッドFRP材料の適用構造物として、今後の市場として有望な線路上空構造物を対象とし、実構造物をモデルケースとして選定した。 本実構造物(鋼構造)におけるLCCおよび環境負荷の算出を実施した。得られた算定結果は、次年度検討するハイブリッドFRP材料 を用いた構造物のLCCおよび環境負荷を評価する際の基準値となる。
②長期耐久性に関するデータ収集
維持管理費用の算出に必要なFRPの長期耐久性データを文献により収集・整理した。なお、ハイブリッドFRPについては、新たに開発 するため、その長期耐久性に関する評価項目および試験計画を検討した。

参考文献:Itaru Nishizaki, Nobufumi Takeda Yoshio Ishizuka Takumi Shimomura : A Case Study of Life Cycle Cost based on a Real FRP Bridge, Third International Conference on FRP Composites in Civil Engineering (CICE 2006), December 13-15 2006, Miami, Florida, USA

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